TST-004 “Homemade” ~Echoes from Our Living Room~

はじめに…

こちらは、石川翔太/高田亮介 Duoによる初レコーディング作品 “Homemade”のライナーノーツ掲載の特設ページです。
著名ジャズ評論家のレビューから、石川や高田の知己のミュージシャンやアーティスト、そして”貴方”からのレビューまで…

今回敢えてCDブックレット内にライナーノーツを掲載しなかったのは、「音楽を聴いてくださった皆様と一緒にCDを完成させたい」という我々の想いもあっての事です。音楽を聴いた皆様の素直な感想・そしてこれからCDを聞きたいと思って下さっている皆様へ向けたあなた自身のメッセージを紡いで下されば、表現者としてこれ以上の幸せはありません。ライナーノーツは随時増えていきます。
どうぞ生まれたての我々の作品”Homemade”をよろしくお願いいたします。  石川翔太/高田亮介

購入をご希望の方はこちらよりどうぞ!

ー以下敬称略表記での記載ー


ジャズ評論家 後藤誠

 神戸在住のフルート&ベース奏者の石川翔太(いしかわ・しょうた)が新作を発表した。 今回はギターとのデュオ。
共演の相手はギタリストの高田亮介(たかだ・りょうすけ)である。高田は1984年12月1日大阪府門真市の生まれ、門真市育ちの36歳。
石川と高田は、共通のドラマーを通じて、共演を重ねるうち、互いに打ち解けていった。 長引くコロナ禍の下、2021年に入って2人はベース&ギターのデュオとして活動再開。 高田は多方面で活躍。自ら主宰するスイング・ジャズ・バンドの「クラップ・ストンプ・スウィンギン」では、リーダーとしての力量も発揮。

石川は、高田が弾くギター(GibsonCustom Shop Solid Formed 17 Venetian Cutaway)の音色と、音楽的対話能力を高く評価。 いわゆる”音楽を知っている”ミュージシャンだという。高田の音にジャズを感じるという。

今回の制作にあたって、選曲はスロー、ミディアム、ファスト、ワルツなど、いろいろやってみたという。 雰囲気の異なる曲を集め、作品としてのバラエティを持たせることも検討はしたが、最終的には2人の演奏がよいテイクでまとめた。

その結果、スロー・ミディアムのスタンダードと、速いテンポのジャズ・オリジナルが中心の構成となった。

曲順の上で考えたのは、緩急が極端にならない事で”ダンスはできるのか?”をこの選曲で考えた結果、先述の順となったという。

アルバムの前半では、高田亮介のギターに焦点を当てる。 1曲目の「ボディ&ソウル」は、内省的なルバートのソロでスタート、ゆったりとしたテンポに乗って寄り添うように加わる石川。 高田のギターにはバーニー・ケッセル、チャーリ・クリスチャン、ジャンゴ・ラインハルトの香りが漂う。 丁寧で濃密な2人の対話に、12分という時間の長さを忘れてしまう。

2曲目は石川のオリジナル。 高田はジム・ホールを思わせる抽象的なフレーズも使って、1曲目と違った世界を構築。途中からサンバのリズムで加速、スリリングな展開が繰り広げられる。

3曲目は速いテンポのバップ・チューン。両者の息もぴったりとあっている。

アルバムの後半は、石川翔太のショーケースだ。 先ごろ亡くなった石川の師匠ジョージ・ムラーツが愛娘に捧げた名曲「ブルース・フォー・シャーカ」、 そしてムラーツとサー・ローランド・ハナの名コンビによる名演で知られる「アイ・ラヴズ・ユー・ポーギー」も、しっかりカヴァー。 まるで旅立ったムラーツに届けとばかりの演奏。

ラストの「Move」は、非常に短い演奏だが、 これは意識的に「チェイサー」(バンドがステージ最後に演奏する短いテーマ)として、録り直したものだという。

 石川&高田のデュオ・チームの門出を祝福するとともに、今後の活躍も仲間とともに見守っていきたいと思う。(後藤 誠)


音楽家/バークリー音楽大学助教授 YUKI KANESAKA

~ステイホームからアットホームへのぬくもりに満ちた7ページ~

Dear Shota Ishikawa

『誰が皇太子やねん!』
大好きなツッコミが聞けなくなってもう何年も立つ。
出会った時は、何をするにもIDを提示しなくてはいけない20代入ってすぐだったよね?
いたずらに品格に満ち溢れた風貌と絶対に年相応では無い渋さ。
友人たちのボケ入るにひたすらキレのいいツッコミと、
ジョージ・ムラーツの音楽話に時間ギリギリまで花を咲かす君のことが大好きで、
僕は、皇太子と呼んでいたね。。。。
ブラックのコーヒーとおじさんが吸う様なタバコから、トーンとピッチとタイムを
こよなく愛する美しいイントネーション到るまで、君の随所に魅了されるまでは秒読みだったし、

レコーディングをすれば自分のトーンへのこだわりと美意識から、
ベースだけでなくフルートや他の楽器もべらぼうに演奏できる音楽性、そしてきわ立つキャラ。

僕がジジイチューンと呼んでいる大昔の難曲への理解や、
楽曲自体への愛を早くから存分に生かしきっている君の存在そのものを
ようやくここに音源として紹介できることに心から嬉しく共感するし、
音楽面だけでは語れないShota Ishikawa のいぶし銀の品格に触れる機会を、
僕自身ずっと待っていた。

このアルバムを聞いてくださっている方には、
熟年のお爺さんのような円熟味が届いていると信じているけれど、
随分前からShota Ishikawaの体の中には流れている風味は、
そこら辺の音楽家が、頑張ってやっとたどり着いたような一朝一夕のそれとは相反して、
見ているみたいに表情までフレーズに滲みてていてさ、、
また肩の力を抜いてさらっとやり遂げているもんだから、
いつもの感じで1曲終わった後にコテコテの関西弁で、『ほな!次!』
が出てこなくて腑抜けしてしまうぐらいだった。

世の中は、音楽性がどんどんソーシャルミュージックじゃなくなっていっているけれど、
このレコーディングのサウンドの奥から生々しく聞こえてくるお二人のリビングでの”笑い
声”と”ツッコミ”と超絶なテクニック。

淘汰された光沢の向こう側からやってくるフレーズの表情とともに、
ステイホームからアットホームへぬくもりに満ちた7ページの楽曲群。
心からほっこりするのも束の間、8ページ目も、もう期待しています。

YUKI KANESAKA(monolog/U-KEY)
音楽家・バークリー音楽大学助教授

注:先日惜しくも ジョージ・ムラーツ氏は、2021年9月16日に77歳で他界されました。


CD届きました
音楽的にも技術的にもすごくいい音で気持ちよく聴けました、ありがとうございます。
またライブで聴かせてもらえるのを楽しみにしております😊

Hiva


ヴォーカリスト 日高由貴 (https://www.niwatoriworks.com/)

一音目から、音の世界にひきこまれました。
リビングでごはんを食べながらおしゃべりしているようなリラックスした空気。
それなのに、時々スパイスのようにピリリとした緊張感があり、極上の音楽に浸らせていただきました。

Blues for Sarkaは、万感の想いが伝わってきて、涙が出そうになりました。

世知辛い世の中ですが、時代が変わっても変わらないものもある。
そんなふうに思わせてくれたアルバムでした。

今後の活動も楽しみにしています。


一つ一つに密度のある美しい音色が織り成す調和。

聞き手に安らぎと弾みを、また時に微笑みや、込み上げてくるカタルシスも与えてくれる。
どこか鬱屈に付きまとわれている今の世と、音楽の届いた厳しい冬の風景に、小さいけれど確かに輝く暖かい灯火のようなアルバムだ。

Muraoka P


昨年のクリスマスイブに届いたアルバムです♪お二人の粋な計らいに感謝!!いい音。
全曲ステキです♪本当に。Duoって最高にいいなー。お二人のバラエティーに富んだ演奏を堪能できます!!

ジャズギターは特に音の好みが個々人あると思います。ふわんふわんの乗り物酔いしそうなのが苦手な私ですが(個人的意見です)…このアルバムは
まったく乗り物酔いしません!全曲好きです!!格好いいです!!どんな速さでも丁寧な落ち着いた音、クールで、優しくて、そっと支えてくれるような包容力、
安心感、きっとお二人の人としての魅力がそのままにじみ出ているのだろうなと人間性まで勝手に想像してしまいました…
簡単に言葉を並べることも躊躇致しますので…この辺で。

Eiko


ベーシスト、COMODO bar with jazz オーナー 長江敏郎

いやぁ いいCDですね
高田さんのギターから始まるサウンドは物語りの始まり まるで映画の様です
石川さんのステディな ベースが入り それから盛り上がり 2人がひとつになって 引き込まれていきます。
僕は13年間comodoで多くのミュージシャン達の演奏を毎夜聴いてきましたが、DUOの素晴らしい調和はご機嫌です。
選曲もいいね👍 blues for sarkaは僕も練習しましたが、見事です。

是非生演奏でお二人の ハーモニーを聴けることを楽しみにしております。
長江敏郎


バクーンプロダクツ株式会社 代表 永井明

私が石川氏と初めてお会いしたのは、フェースブックで南の島からのメッセージがきっかけだった。
「知り合いのベーシストが熊本で演奏予定だが、ベースアンプが壊れて困っているので助けてほしい。」
というメッセージが飛び込んできたのだ。

早速、連絡を取ったのだが、そのベーシストが石川氏だったのだ。

その日のコンサートに間に合わせるために、手持ちの楽器アンプを持って会場に急いだ。
弊社のアンプは楽器用アンプであるので、楽器を選ばない。
ギター、ベース、管楽器、和楽器など多数の楽器での実績がある。

ベースでは金澤英明氏や、トニー・レヴィン氏などに使っていただいて高評価をいただいているので、
安心して使っていただけると思った。
会場の様子などがわからなかったので、とりあえず一番出力があるステージモデルを持ち込んだ。

幸い、石川氏にも気に入ってもらえてコンサートを無事に終わらせることができた。
ステージモデルはホールなどの大きなステージで使うことを前提で作っているので、大出力が出せるが大型で重い。

石川氏にはナチュラルなサウンドを気に入ってもらえたが、何とかツアーで持っていけるような小型のアンプは作れないかと相談された。

そこで、試行錯誤の末に重量が8kgを切るツアーモデルの試作に成功した。
ちょうどリュックに入る大きさで、石川氏にも携行に苦にならないと好評だった。

さて、今回の石川氏と高田氏のデュオアルバム、とても楽しめた。

ベースとギターが支えあい、絡み合い、対話をし、時には対抗するデュオの様々な醍醐味を堪能することができた。
お二人のテクニックによって、様々な音色を楽しむことができてアルバムを一気に聴き終えた。
とてもカラフルなサウンドは聴き手を飽きさせることなく、ゆったりとした時間を過ごすことができる。
このアルバムは正座して対峙するというよりは、ゆっくりとソファーでワインを片手にアルバム全体を聴いて楽しむのが最高だと思う

サウンドもクリヤーで、特にベースラインが正確に再生されるように高性能なオーディオで聴くことをお勧めする。
お二人の細かな音色の変化や演奏テクニックを堪能するには、やはり、なるべく精度の高い装置で聴きたい。

細かな音色が聴こえない場合はヘッドフォンでの試聴もお勧めだ。

この録音が、主に石川氏の自宅で行われたということにも驚いた。
雑音が入りやすい自宅での録音で、これまでクリヤーな音質にできたのは、エンジニアの努力のたまものだと思う。

演奏者の石川氏と高田氏、それに録音エンジニアの方に敬意を表したいと思う。
永井明


ギタリスト 金澤 悠人 (https://yutokanazawa.com/)

翔太くんに出会ったのは15年以上前の神戸、お互いバークリーに行く手前で友達になりボストン生活を共に過ごしました。その後彼が日本に帰国する際にニューヨークのアパートを引き継ぎ、今も同じ場所に住んでいます。高田さんは甲陽の先輩で、ニューヨークにきた時も僕のギターをタイムズスクエアで弾いて頂いたりと縁があり、音を聞くと演奏してる様子が目に浮かびます。

最近レッスンをしていて改めて思ったのですが、ジャズを弾いたり聞き慣れている人は共感覚というか、知ってる曲のメロディーがなっているだけで、コードチェンジやベースラインやドラムの音までイメージができてしまっている場合が多い気がします。

二人のことを知っている、ということも手伝っているのかもしれませんが、今回の作品、本当に二人が近くで演奏しているかのような雰囲気を感じました。このCDを手に取っている方の多くが直接翔太くんのことを知っている気がしますが、そうだとすると2倍楽しめる作品だと思います。

もう一つ共感覚について思うことが、創造力溢れる演奏の場合、演奏者のイメージしている音、つまり実際に出ている音以上の情報が聞いている側にも流れてくるのを最近よく感じています。

デュオではお互いに音楽のフレームを構築しなければいけない制約が多い反面、気を配る音が少ないため自由な表現も生まれやすいです。素晴らしい演奏はもちろんのこと、全体を通してお互いの信頼感や、日々の鍛錬やライブで培われた心地よい音が聞こえてきます。お二方のことをご存知の方もそうでない方も是非一聴してみてください。


 


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